2015年9月25日金曜日

サンフランシスコ市議会_慰安婦碑設置を審議する為の公聴会に参加して

去る9月17日にサンフランシスコ (SFO) 市での慰安婦碑設置に関する決議案について市議会の公聴会でスピーチ合戦に参加してきました。(改稿_2015.9.24)


公聴会はスピーチを希望する人は所定の用紙に名前と賛成か反対の意志を表明して提出。一応、誰でも意見をのべられる形式です。参加者が多い場合は一人一分になる可能性がありましたが、結局一人2分ということになりまし た。賛成派から50人近く、反対派から30人近くのスピーチあり、2時に始まった公聴会は5時半過ぎまで続きました。地元の日系人や在米日本人が反対のス ピーチを行いましたが、白人の方で反対派のスピーチをして下さる方もおりました。一方残念なことに、日系人でも賛成派としてスピーチする方もいました。
 
私は、豪ストラスフィールド市での像設置阻止で 日本がで学んだ教訓から、調和をテーマに、「移民国家であるアメリカにこのようなものを持ち込むのはよくない。我々には 異なる民族的背景をもつ人々をつなぎあわせるものが必要で、離反させコミュニティの調和を破壊するものは必要ない」という内容のスピーチをしました。勿 論、慰安婦は強制連行されたものでなかった、性奴隷でなかった、と賛成派の主張に真っ向反対するスピーチも多々ありました。

し かしこれらの声が届いたかどうか。第一印象としてフェアな公聴会と言えるものではありませんでした。進行役を勤める座長はこの議題を提案した張本人である Eric Mar 市議、中華系米国人です。スピーチは時間オーバーするとまた鈴(電子音)がなり、そろそろまとめて下さい、と終了を座長に促されます。それでも終了しないとThank youとかPlease stop itと連呼され、いわば強制終了されます。

決議案反対派のスピーチが時間超過をすることが多かったこともありますが、反対派のスピーチの時間超過は賛成派のそれより厳しく扱われたと感じました.

賛成派のスピーチで最初に登場したのはLee Yong-Soo (米下院で証言した自称元慰安婦の一人)だったのですが、10分も費やしいきなり8分もの時間超過。通訳が入ったのを考慮してもこの優遇措置はひどい。

この方は証言の内容がコロコロ変わるので有名です。初期には「友人とともに朝鮮人売春ブローカーに勧誘された」(安秉直 元 ソウル大教授)「友人と一緒に母には内緒で家を出た」(Sarah Soh サンフランシスコ州立大教授)とありましたが、その後「日本兵に拉致された」に証言が変わりました。今回の彼女はスピーチ後に聴衆の歓声に手を振りまるで スター気取りでした。更に他の中(華系米)国人も通訳入りで2分もの時間超過。


賛成派のスピーチにあった内容は、

20万人の朝鮮人女性を人さらいして性奴隷にした、
日本は謝罪や補償を全くしていない、
慰安婦問題は日韓二国間の問題ではなく女性の人権を守るため、社会正義のため碑は必要
軍国主義化しつつある日本をストップさせるために慰安婦は必要、

など。

「女 性の人権、社会正義」云々はともかく、それ以外は全くの捏造言いがかりにすぎません。また女性の人権を守る為の象徴とでもいうのなら、70年前の日本だけ を標的にするのは明らかにおかしい。現在進行形で人権が蹂躙されている世界各地の女性のことに思いを馳せないのでしょうか?女性の人権や社会正義目的のた めのメモリアルといいつつ、日本を国際社会で孤立させる為のジャパンバッシングが真の目的であることは明らかですが、それが見えていないアメリカ人の多さ にゲンナリします。

反対派のスピーチの内容は、

コミュニティが分断される、民族間の対立を煽る
日本人日系人への嫌がらせの原因になる
アジアの政治問題に市が関与すべきでない
慰安婦強制連行や性奴隷を否定する米国政府の公式文書がある、慰安婦は戦時売春婦
  IWGレポート[2007], 米軍による朝鮮人慰安婦尋問調書[1944]
韓国人研究者 著書より、慰安婦は家族に売られ朝鮮人ブローカーによって集められた
  San Francisco State Univ C. Sarah Soh教授の著書 "The Comfort Women"
この問題は日韓基本条(1965)で解決済み,再び持ち出すのは倫理に反する
特定の国を非難するのではなくあらゆる国籍の女性の人権に対するメモリアルであるべきでそれがアメリカのやり方

など

特にIWGレポートと朝鮮人慰安婦尋問調書に関する反対側のスピーチの時間超過はかなり早めに終了させられたと感じました。このトピックでの発言者が「強制連行や性奴隷の証拠は無い」というと Mar市議が即座に「証拠はある」とスピーチを遮ったりさえしました。これはとてつもなくアンフェア。賛成派の根拠のない捏造に我々の反論は許されず、反 対派の意見には座長が異議を唱える、こんなのは公平公正な公聴会とは言えません。さらに閉会後に分かったことですが、反対派の少なくとも2人が名前をMar市議から呼ばれず、スピーチできませんでした。

また、賛成側の聴衆にはスピーチが 賛成か反対か分からない人も多くいたようです。江沢民 みたいな顔をした中(華系米)国人がスピーチ終了後に咳払いをするとそれが賛成派スピーチ終了のサイン。で、賛成派は拍手の嵐。これが市議会議員への圧力 にもなるわ けです。ですがこの拍手は進行の妨げになるとされ、その後禁止。拍手の代わりに手を上げてぶらぶらさせるジェスチャーに変わりました。

すべてのパブリックコメントが終了したあと、公聴会に参加した市議会議員3人が総括の形でそれぞれコメントした。公聴会では反対意見も多数あったわけです が、その総括では理路整然とした反対の主張は無視。賛成派の主張を丸呑みにしたようなコメントがなされたと思います。この公聴会自体が、茶番であったようなものです。

とくに市議の一人David Camposは、”shame on you. Shame on you. Shame on you for denying what happened ”と強制連行や性奴隷は事実でなかったと反論する反対派を「恥を知れ」の連呼で罵倒。酷い侮辱の言葉に、激しい怒りを感じずにはいられませんでした。



22 日は採決が行われ、11人の市会議員が全会一致で賛成の採決。結果に期待は全くしていなかったのですが、全会一致というのは驚きました。反対意見の内容は 把握しないまでも反対意見が多数あることくらいは、公聴会に参加しなかった市議の耳に入っている筈。それでも慎重な姿勢を取る市議が一人もいなかったことに衝撃を受けました。

用意周到な根回し、市議の抱き込みが事前に行われたことは容易に想像できます。今回ほどウソを繰り返し大声で叫べば本当になる」を痛感しことはありません。「真実は一つ、いずれ明らかになる」という日本人の多くが思っていることは、海外ではあまりにナイーブで楽観すぎる思い込みと思います。

この公聴会に関しては余談があります。

Campos 市議の碑設置反対派 (これは殆ど日本人、日系人やその配偶者とイコールといってもいい)への侮蔑的な言葉に対し、有志20数名で市議へ抗議文をおくり謝罪を要求した。が、返信は再び侮蔑的な言葉でした。"Shame on anyone who denies history."と。

こ のように公聴会は、慰安婦碑設置反対のためにどのような正論を言っても聞く耳持たず、そんな有様でした。か弱い朝鮮人女性を苦しめたにも関わらず、謝罪す らしていない(謝罪してないというのも言いがかりですが)日本は許せない。オレがとっちめてやる、と正義感を振り回しているアメリカ人の姿がありました。 中国共産党の操り人形となっているのも知らずに。

南カリフォルニアでは、サニーヒルズ高校にて慰安婦関連で日本人の 生徒に対する嫌がらせも起きました。このような嫌がらせやイジメはもっと起きていると思いますが、被害を受けた本人の記憶しか証拠がない状況では、被害を 訴える事もできません。しかし、サニーヒルズ高校の場合は、校内へ文書が流布されたためPDFで証拠が残っています。学校側はその後、証拠隠滅をしましたが。

SFOで慰安婦碑が設置された後には、中華系韓国系住人の多い土地ですからマイノリティーである日本人への嫌が らせが増える可能性があります。なにより世界中の観光客が訪れるSFOに、一方的に日本を悪者にし、しかも、か弱い女性を20万人も強制連行して性奴隷に した、日本政府は全く謝罪してない、などと、ありとあらゆるウソ八百を訴える碑が建てられた場合、国際社会における日本の信用を傷つけることになります。

韓国は、今以上に何かにつけて慰安婦のことを持ち出し、日本との論争を自国に有利に運ぼうとするでしょうし、中国は、日米日豪分断など日本孤立化への工作を加速させてくるのではないかと危惧しています。

慰安婦問題は、強制連行のような犯罪が軍などによってなされたかどうかが争点だったのですが、強制連行が虚構であることが判明すると、反日勢力は「女性の人権」に問題をすり替え「人権蹂躙に時効はない、日本は謝罪すべし」という主張に路線変更しました。

し かしこれに同調する人達には、中韓の本当の目的が日本の謝罪でないことにいい加減気がついて欲しいものです。人身売買(売買の当事者は朝鮮人の親と女衒) の被害者である慰安婦を日本帝国軍が利用したことに対し、日本政府は道義的責任を感じ償い事業を行った(アジア女性基金)。しかし、その償い事業は韓国に 対してのみ失敗に終わった。韓国国内で朝鮮人元慰安婦に政治的圧力が加えられ、橋本龍太郎首相の署名入りの謝罪文と見舞金は、殆どの元慰安婦から受け取り 拒絶されたのを忘れてはならない。

公聴会の動画はこちら

カンポス市議からの侮辱_Shame on you (動画の3:50~

公聴会に参加された別の日本人によるレポート。ここでは、練りに練られた賛成派の用意周到な戦略に反対派がなす術もなかった様子が克明に描写されています。